2002年04月26日
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連邦軍小失敗の研究(4) モビルスーツ用武器生産の偏り

Written By: トーノZERO連絡先

 正統があれば異端あり。異端の宇宙世紀史へようこそ。

 モビルスーツにおける武器手持ち方式は、多種多様な武器を容易に持ち帰ることがメリットであるとされます。実際に、MS-05/06は多種類の武器を持ち替えて運用することにより、様々な任務に適応する汎用性を発揮していました。

 しかし、連邦軍初の量産型モビルスーツGMにおいては、当初ビームスプレーガン、シールド、ビームサーベルだけがGM用武器として量産されていました。その結果、当初、すべてのGM部隊はこの3点を装備して受領しており、その3点だけを使って戦っていました。

 もちろん、GM自身が、この3点しか利用できないという制約を持っているわけではなく、多少出力は落ちるもののRX-78用ビームライフルも使用できました。エネルギー系の接続が必要ないバズーカも、もちろん利用できました。それにも関わらず、GMの量産計画では、ビームスプレーガンのみを生産し、他の火器は製造しないことになっていました。

 これは、最小の予算で最大の成果を出すための決定でした。明らかにビームライフルは出力過剰でしたので、もっと収束度の低い安上がりな武器で十分にジオンのモビルスーツに対抗できると考えられたのです。逆に、ビームの拡散は、経験の足りないパイロットでも当てやすくなるので、好ましいとすら言われました。

 しかし、実際に戦場でジオンモビルスーツとの交戦が始まると、ビームスプレーガンでは対応できない場面がいろいろと出てきました。ジオンのモビルアーマーの中にはビームスプレーガンでは撃ち抜けない装甲を持つものもあり、ビームライフルやバズーカの必要性を訴える部隊がいくつも出てきました。

 ところが、それらの武器はもともと量産していませんから、試作機用装備の少数の在庫を前線に送ってしまうと、それっきり入手する手だてはありませんでした。

 この問題に混乱の拍車を掛けたのは、ジオン側の兵器にも改良が加えられ、一見同じモビルスーツでも、装甲強化されたタイプが出現していたことです。このような装甲強化タイプは、時として、ビームスプレーガンで撃ち抜けるはずの距離から撃って撃ち抜けないケースが生じました。これはパイロットの腕が悪いのか、最前線では性能が十分に発揮できていないのか、と調査と議論が行われ、貴重な時間が浪費されました。

 結局、ジオン側も兵器を改良しつつあり、ビームスプレーガンで対処できない場合があるという結論が出され、GM用ビームライフルの製造が開始されました。しかし、これは既に時遅く、最後の決戦ア・バオア・クー攻略戦には間に合いませんでした。

 量産効果だけを追い求めて特定の武器だけを生産するのではなく、多種多様な武器を生産し、せめて各部隊に1個ずつでも各種装備があれば、GMはより多くの戦果を上げられた可能性があります。もちろん、強敵にビームスプレーガンを連射しながら編隊突撃するような無謀な戦闘も行わずに済み、損害も少なくて済んだかも知れません。


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